インタビュー

INTERVIEW
2019.03.11

「現状維持は衰退」目指す会社のビジョンにたどり着くまでには自身がリスクをとる。

株式会社Edeyans 片山 裕之社長
「現状維持は衰退」目指す会社のビジョンにたどり着くまでには自身がリスクをとる。

起業当時のこと

起業のきっかけ

本日は10個ほど質問を考えてきています。よろしくお願いします。

片山社長

はい。うまく答えられるかな(笑)。僕の方が緊張しています。

さまざまな働き方がある中で、片山社長はなぜ社長業を選ばれたんですか?

片山社長

そうですねぇ…サラリーマンだからできる、できないがあるわけじゃないとは思うんです。でもいいアウトプットをして社会に対して少しでも影響したいな、と。そういうことができるポジションって、芸能人とかスポーツマンが思い浮かびますが、これって今からなれるものでもない。起業して経営者になればできるんじゃないかと思ったのがきっかけですね。

こういう影響力を与えたい、みたなのがあるんですか?

片山社長

僕、大学1年のときは“ザ・大学生”だったんです。サークルに入って騒いで、みたいな。2年になってこれ違うよね、と目覚めて———僕がメンターだと思っている起業家のひとりが当時早稲田大学の4年生で「スポーツの事業を通じてスポーツ業界をよくしたい」って言っていて、めちゃめちゃかっこいいなと思ったんです。

僕はその頃「Jリーグのクラブでインターンしよう」とかそういうレベルだった。業界とか世の中のこととかは考えていなくて、自分が何をしたいかという思考だったんですね。彼の夢を聞いて「大学2年と4年でこの差か」と、愕然としました。

それから「僕も4年になる頃にはこの人のようになって、学生起業したい。自分も事業を通じて世の中にいい影響を与える人間になりたい」と思うようになったんです。

はじめの行動、相談した相手

実際に起業を決めてはじめにしたことは何ですか?

片山社長

いちばん最初にやったことは、バイトを辞めたことです。僕、結構いいバイトをしてたんです。朝日新聞の記者の編集サポートでバイトなのに月25万円くらい稼げていたんです。でも、これを辞めない限り事業に集中できないなと。

いちばん最初に相談されたのは誰ですか?

片山社長

大学時代ベトナムにインターンで行ってて、その仲介会社の社長さんです。仲良くさせていただいていて、この方もメンターのひとりでした。

実は事業のアイデア自体もその社長のものです。インバウンドの領域で仕事がしたかったんですが、一度別の事業でうまくいかなくて「じゃあ他にインバウンドで何ができるなぁ?」と飲みながら相談していて。「民泊をやってるんだけどお前もやってみれば?」という感じ。事業自体も僕のアイデアじゃない…そこは正直に、そうなんです。

社長の強み、その生かし方

なるほど。では次の質問ですが、社長自身が考えられる自分の強みはなんですか?それをどう生かされていますか?

片山社長

強み、強みは…なんだろう。自分ができることとできないことを結構明確に理解していることかなと思いますね。僕はうちのメンバーの中でも能力値は高くない方なんです。それを結構さらけ出しているので周りのメンバーも「ここは自分の方ができる!」という部分をもっていて、アウトプットも自信をもってしてくれます。そうですね、そこを僕は理解しているつもりです。

周りの人に任せるということですか?

片山社長

思いっきり任せます。任せすぎてたまに「これで社長といっていいのかな?」と思うくらいです。

できることは積極的に自分でやっていく、というスタイルでしょうか?

片山社長

今のフェーズではとにかく会社を前に進めないといけないと思っているので、営業活動や採用活動といった事業を前進させる活動というのは僕が先頭に立ってやっているという感じです。

逆に現場やバックオフィスのような守りの部分は本当にノータッチに近いくらいですね。メンバーがやって最後に見るという感じです。このスタイルは周りの経営者の方にも「早い段階でその決断ができたのはいいね」と言われますね。

起業から1年が経って

失敗、課題

何かいま、御社が抱える課題がありますか?

片山社長

今僕がいちばん取り組んでいるのは文化づくり。会社のカルチャーを作っていこうとしてるんですが、難しさを感じています。というのは、みんな日々のオペレーションに追われている部分があってミクロ的な視点になってしまっている。なかなかうまくいってないな、というのが実感です。簡単でないことは分かっていますが僕の思っているスピード感では進んでいないかな。

分かりました。では、今振り返ってみて「未然に防げたはずなのに」といった失敗談はありますか?

片山社長

ありますね。つい最近の話ですが、けっこう大きなクライアントさんとの契約が突如終了しました。売り上げでいうと年間2000万くらいが飛んでしまったんですが、それは社内のコミュニケーションをもっとスムーズに行っていれば未然に防げたなと思います。

その課題は上にも上がっていたものの、マネージャーが問題を抱え込んでしまってあまりプライオリティの高い感じで話していなかったので僕も重要視していなかったんです。でも実は爆発寸前の状態で、気付いたときには崩壊寸前まで行っていて…。これはもっと社内のコミュニケーションを、量というよりは質を高めて、本当に必要な情報だけ上に上がるようにしていれば防げたなというのはあります。

最高責任者としての意識

続いての質問ですが、会社のトップは責任ある立ち位置だと思いますが、トップとして意識されていることはありますか?

片山社長

いくつかありますが、リスクを取ることを忘れない、リスクを取り続けるっていうのはすごく意識しています。「現状維持は衰退」という思いがあって、自分たちが目指す会社のビジョンにたどり着くまでには僕自身がリスクを取っていかないとだめだなと。 来月に福岡と東京に支社を出す予定ですが、これも周りからは「大丈夫?」っていう声がすごい。でも「いや、やります!」って言う。「やるから!」みたいな(笑)。自分がいちばんにリスクをとってみんなで固めていく、っていうのがいいかなと思って意識はしています。

あともうひとつ、孤独を恐れないというのも最近はかなり意識しています。

やっぱり社長はすごく孤独を感じますか?

片山社長

いや、前まで感じなかったんです。感じなかったからまずいなと思って。

うちのメンバーって友人や後輩が多くて、もともとファミリーみたいな感じ。僕もそれがいいなと思ってたんです。フラットな組織。でもそれじゃ全然ダメだなと。うちは労働集約型の事業、これから2年で1000人増やそうと思っている中でフラットなんて組織は成り立たないっていうことに最近やっと気付いた。だから自分はあえて孤独にならないと判断が鈍るんじゃないかと思って。前までは孤独になるのが嫌だったからこちらが折れてたんですよ。気持ちもフラットな関係の方が楽だった。でも、逃げてるなって思って。

そう思ったタイミングがあったんですか?

片山社長

知り合いのメンバーでやっていることでたまにぬるさが出るというか、どこかでたまに「会社ごっこをしているんじゃないか?」という感覚があって。この空気感を作っているのは自分だなとイラつきはじめて(笑)。

そんな時、友達が「お前の会社に入れてよ」って気軽に言ってきて、「舐めるなよ」と思った。自分がもっと強烈なリーダーシップを発揮しなければ、このままの空気感じゃだめだなと感じたきっかけでしたね。

時間の使い方

普段の生活で、新たな情報を手にいれる方法は?何か意識していますか?

片山社長

SNSはかなり見ています。Twitter、Facebook、NewsMAIL、NewsPicks…

欲しい情報があって見ている感じですか?見て必要な情報を発見する感じですか?

片山社長

後者ですね。ツイッターなどは尊敬している経営者、起業家、投資家はすべてフォローしています。無意識に開くのがツイッター。基本的に友達のフォローはしていません。常にインプットしてるイメージですかね。

インプットした情報をどうやって自分のものにしたりアウトプットされるんですか?

片山社長

全部アプトプットできているかというとそうじゃないんで。社内のコミュニケーションツールで「有料記事」っていうチャネルがあって、そのチャネルで上げて共有&ディスカッションしたりしています。この会社のこの組織づくりすごくいいよね、とか。

これも前までは反応が悪かったんです。というか僕が一方的に発信してみんながいいね、みたいな。最近はちゃんとディスカッションできるようになって、取り入れようというものもいくつかあります。

ディスカッションできるようになってきたのはどうしてですか?

片山社長

う〜ん、なんだろう…確かにね。社内ミーティングを増やしたのはあるかな。ほとんど現場に出ている人、リモートワークしてる人もいて集まる機会がなくて。これはもっと時間を割いてやるべきだなと思って、実際にリアルなコミュニケーションをするようになった。それがSNSでも機能するようになったのかな。

創業の時期に合うことがなさ過ぎた、直接のコミュニケーションがなさ過ぎたっていうのもありますね。LINEなどのやりとりばっかりだったんです。でも、肌感というか空気感、表情をもっと見ていないとダメですね。うちのナンバー2も実は一度離れそうになったんです。原因はコミュンケーションの量と質が足りなかったこと。まだまだ不安定な組織だな、と本音で思っていますね。

未来の社長へアドバイス

起業のハードルを下げる

僕と同じように起業を目指す学生はたくさんいると思うんですが、そういう学生と一緒にできることがあるかと考えられたことはありますか?

片山社長

この「CEO make」のお話をいただいたときに考えました。うちはめちゃめちゃカオスなんで(笑)。

カオス?(笑)なんですか?

片山社長

いや、起業ってかっこよく見えるかもしれないですが、状況は日々一変するし、悩みは尽きないし。僕が学生に対して何ができるかって考えたときに、もう成功されている方とか安定している方ではできないような起業したてのリアルさは見ていただけるなと。カオスな状況の中で、お客様にどういう価値を提供できるかを一緒になって考えるっていうのが重要だなと思っていて。 いま大学3年生の子がインターンで入っていますが、自分で仕事を見つけられて処理もできる。このカオスな状況が人を成長させると思うし、僕はそれがいいのかなと思います。

起業のハードルは一気に下がると思います!これ、起業したい学生がいちばん先にやることかなと思います。起業ってハードルを下げないとなかなかできない。僕も一気に下げてくれた人がいるんです、「この人にできるんだったら自分にもできるんじゃない?」って(笑)

そういう意味ですか!? そういう下げ方もあるんですね(笑)

片山社長

あります、あります。本当に!こんな感じで売り上げって立つんだ、って僕を見て思ってもらったら起業する人が増えると思います。

僕ならこうする

最後に。僕も含め、起業したい人に何かアドバイスをいただけないでしょうか。

片山社長

そうですね…。本当にこれで起業するって決めたら、僕だったらまず登記するということからはじめます。 インターンでうちの事務関係をやってくれている子に言ったんですが「今の仕事、もううちからの業務委託という形でもできるんじゃない?」って。起業したいならそれをやった方がいいと。

実際、すでに登記の準備をしています。スタートアップの代行業みたいな感じで、給料じゃなく業務委託という形で仕事をしてもらう予定です。

多分、先に形を作れば追いついてくるんですよ。

就職するにしても、会社をもってサラリーマンをする、っていうのでも僕はいいと思っています。

ありがとうございます。僕も起業を目指して頑張ります。


片山 裕之社長
社長プロフィール

株式会社Edeyans  片山 裕之社長

大学時代に1年間休学してベトナムへ。帰国後インバウンドの領域で起業し、2017年8月には民泊清掃事業をスタートさせる。2020年までに全国展開を目指している。

藤木 秀伍さん(立命館大学 4年)
インタビュアー

藤木 秀伍さん(立命館大学 4年)

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