インタビュー

INTERVIEW
2019.03.22

やりたいこと、やりたくないことを学生のうちに書き出しておこう

株式会社GlobalStyleJapan 永川 政峰社長
やりたいこと、やりたくないことを学生のうちに書き出しておこう

情熱の源

商品は子供のように大切

こういった形でまたお会いできてうれしいです!よろしくお願いします。

永川社長

こちらこそ。よろしくお願いします!

今日は社長の情熱の源をお伺いしたいと思って来たんです。社長業をされていていちばん情熱を感じるのはどんなときですか?

永川社長

メーカー業なので商品の立ち上がり、サンプルを開発している時期は非常に情熱が注がれるときですね。この『ルフト』のヘアスプレーはまさにその時期で、現在、全国で100店舗くらいの導入が決まっています。
自分たちが企画したものを手に持っていただけるっていうのがやっぱりいちばんの情熱ですね。0から1を創造したものって自分の子供と同じくらい可愛いものです。

商品も可愛い我が子なんですね。人材的な部分ではどうですか?

永川社長

うれしいのは人間が成長していく姿ですね、やっぱり。僕はいま34歳ですが、成長する時期って人によって違うんですよね。柔軟に考えて成長していく姿を見られたときはすごくうれしいです。
僕は、業績が伸びても人が成長しない会社では意味がないと思っているんです。だからとても大事なことだと思います。

情熱を伝えるために

逆に情熱が冷めそうになることはありますか?

永川社長

情熱が冷めるってことはないかな。そもそも情熱が注げないものには手を出してないです。ただ憤ることはありますよ。ECサイトの担当者が同じ情熱をもってくれないときとか。それは会社全体のミスなのかなと思います。

同じ熱をもってもらえない人に対してはどんなアプローチをされるんでしょうか?

永川社長

そもそもですが、商品への熱って企画者から離れるほど下がっていくものです。僕から側近、部長、課長、社員になっていくにつれて当然熱は冷めていく。だから僕の熱をいかに下まで伝えていくかが大事になります。
いろいろ考えますよ、「自分の伝え方が悪かったのかな」「もっと話さないといけないかな」「発言の仕方を変えた方がいいかな」とかね。極論、「僕の服装や髪型を変えた方がいいかな」とかまで考えたりします。

そんなことを考えるんですか?

永川社長

実際、髪の毛を下ろしているときと上げているときで反応が違うんですよね。

へぇ。そうなんですね。

永川社長

熱が伝わってないとしたら、その子が悪いというよりはトップ、管理者が悪いんだと思います。

求めるというよりは自分にベクトルを向けられるんですね。

苦悩と成長

スタート期の課題

では次の質問ですが、起業された段階でいちばん辛かったのはどんなことですか?

永川社長

そうですね…最初の1年半ほどは個人事業として実家の1室でやっていたんですね。その頃、時給制でアルバイトを雇ったんです。この人を雇い始めた時期がきつかったですね。
森くんもこれから経験すると思うけど、一人でやるのって簡単なんですよ。今は主婦だって在宅で仕事をしたりハンドメイド品をアプリで販売したりしますよね。それが、たったひとり人が入るだけで全然違う世界になる。しんどかったところです。

どんなことがしんどかったですか?

永川社長

相手の理解に苦しんで…「なんでそんなことするの?」と責めてしまったりとかね。今は当然だと思えるけど当時は分からなかった。
でも、彼らからしたら「いや、僕は僕で頑張っています」って話なので、そこがいちばん大変でしたね。人間がいちばん大変だと思います。資金や商品、サービスとかいろいろありますが、いちばん時間と情熱がいるし考えなければいけないところ。
今も人が増えてきて当然問題もありますが、7期目に入ってそれはクリアできました。人事を置いたり積極的に会社の飲み会をしたり。最近はそのあたりにしんどさは感じていません。

あとは、リアルにいうと資金面で厳しかった。振り返ってどちらが厳しいかというと人ですが、当時の局面でいくとお金の方がしんどかったですね。一人やっているコンサル事業で黒字を出して、ほかの赤字を補っている感じでした。2年くらいですかね。そういう時期はありましたね。でも基本的に楽しいですよ、すべてが経験になります。

タスクを探すように本を読む

そういったことを打開するためにやったことはありますか?

永川社長

大きくあるのは読書です。いろんな経営者さんがいて、いろんなスタイルがあります。僕も経営者の友達がいるのでいろんな回答をもらいますが、それはその人のスタイルの回答であって僕の回答じゃない。それを見つけるためには相談より読書の方が答えを見つけやすいんです。
僕の実感で言うと、10人に聞いて2人は自分に当てはまる回答をくれた感じ。やっぱり本がいいです。

マネジメント系の本ですか?

永川社長

いろいろ読みましたね。会社経営の本とか会社経営に失敗した本とか。「社長のノート」とか「採用基準」というマッキンゼーの本なんかもかなり参考になりました。いろんな本から学んでいきましたね。

僕も本は読みますが、自分のものにするってすごく難しいと思うんです。学んだことを行動に落とし込むためにはどうしたらいいでしょうか?

永川社長

あまりたくさんのことを頭に詰め込みすぎない、というのがひとつです。自分に必要なことや大事なことってたくさんあるけど、1年後に読むとまた違ったりするんですよね。人間ってそのとき自分が欲しい情報を受け取れるようになっているから、意識しているものによって物の見え方が違う。だから大事だと思ったことを1つか2つ吸収して終わります。あとは流し読み。それで1年後にまた読む。全部は読まない。人って1時間後には半分以上のことを忘れる生き物ですからね。

目次で拾う感じですか?

永川社長

そうですね、それで実際にすぐ使えそうなものは期限付きで仕事のカードに落とし込みます。週末に読んだら月曜日のタスクにやることが入っている感じです。2、3個のタスクを見つけるために本を読む、そんなイメージです。課題がないときに読むと難しい。

すごく勉強になります。ありがとうございます。

永川社長

無理して読まない方がいいと思いますよ。眠くなりますから(笑)

挑戦する覚悟

次の質問です。事業を成長させられる会社とさせられない会社の違いはどのようなことだと思われますか?

永川社長

うちはいま7期目ですが、6期目の最後まで経営スタイルはずっと変わらなかったんです。利益が出せているからいいかなと。でも6年やってみると「これを20年続けたら楽しくなくなるだろうな」と思ったんです。チャレンジや挑戦をしていかないことに疑問符がついた。「どうしてこんなに保守的にやっているのかな?」と。
それで、自分で行くところまで行ってみようと思ったんです。ここの覚悟のところが違うと思います。

もっと経験したいし、社員にも経験させたい。オフィスも作り変えたりしたのもそんな気持ちからです。
会社がスケールを出していかないと社員もスケールがでない。でも逆に、スケールが大きすぎて社員がついて来られないのもダメです。みんなが成長するには会社も大きくなる必要がある。チャレンジをとにかくしたかった、というのが大きいですね。

僕がいたときは人ももっと少なかったように思います。

永川社長

そうですね。「楽しみたい」っていうのがいちばん大きいかもしれないですね。
あと、このチャレンジができるのは僕であり、この会社だからだと思うところがあって…でも覚悟するのに6年かかりました。やっとこれからスタートかなと思います。

具体的にどんなチャレンジを?

永川社長

5月に中国に出店をしました。それからこの半年で15商品を企画し、4月から起動します。
6年かかって3ブランド7商品だった会社が半年で15商品ですから、かなり大きなチャレンジです。
生産数で言うと森くんがいたときは3万個とか4万個だったけど、今は33万個作っているんですよ。うちの規模で33万個作っている会社ってほとんどないと思います。キャパオーバー気味に進んでいます(笑)。

そんなに増えているとはびっくりです!

永川社長

自分でもびっくりしましたね。

成功する起業家へ

ビジョンは3年後まで

5年後のイメージ、ビジョンはありますか?

永川社長

まず海外展開をスタートしている、というのがひとつ。そこに対しての準備はすでに始めています。
規模感でいくと10億以上には余裕で、20億以上になっているかもしれません。
あとは、僕は少数精鋭の会社にしたいので、今いる人間に経営幹部になってもらいたい。そのためにみんなを今の僕のレベルに引き上げたいというのがあります。
メーカーというのは5000店舗くらいに商品を卸さないと認知してもらえないんですが『ルフト』で今300店舗くらいです。うちの社歴からいうと素晴らしい結果だと思いますが、やっぱり5000店舗には卸して誰もが知っているブランドになりたいですね。

正直、3年くらい先までしか考えていなかったんです。今は時代の流れが早すぎるので5年後をイメージしても意味がないかなと思って。
美容室にしても3年続けられるところはかなり少ない。だから僕らもトレンドに柔軟についていかないと厳しいです。5年後続けていられるように頑張ります。

師匠のものまね育ち

社長は目標にしている人、影響を受けた人っているんですか?

永川社長

有名人の中にはあんまりいないんですよね。ただ、知り合いに師匠とする方はいます。船原徹雄さんといって、15の会社を持ち、家族もいて非常に素敵な方。その方が師匠です。実は僕、彼の本を読んで起業しようかなと思ったんです。「世界一楽しく儲かる金持ち教科書」っていう本。今は友達になって結婚式の祝辞もいただきました。

すごいですね。憧れの存在からどうやって友達に?

永川社長

それはね、行動力です。Facebookで「誰かゴルフ行かない?」ってつぶやかれていたので「チケットあります!」って言ったら一緒にゴルフすることになって(笑)。とてもフランクな方で、一度セミナーで軽くご挨拶をしただけの僕と一緒にゴルフをしてくださったんです。

すごい行動力ですね。その方のようになるためにやったことはありますか?

永川社長

言われたことを素直にやる、ってことですね。それがまずひとつ。相手も「ちゃんとアドバイスを聞いてくれたんだな」と思ってうれしいですよね。
5期目くらいまではそうでした。そこからはこのままだと彼を越えられないと気付いて、自分のフィルターを通して行動を変えました。最初はものまね、それが早いと思います。泊まるホテル、飲んでいるもの…ちょっとでも近づくためにあらゆる行動をまねして。
土台ができたらそこにオリジナルのスパイスを入れていったらいいと思います。

そういう人に出会うって難しい。だから出会えたときはチャンスだと思って積極的に行動すべきだと思います。

楽しめる状況を作る

日常で意識して取り組まれていることは何かありますか?

永川社長

メモを取ることがひとつ。あとは即レス。社員からの連絡には24時間以内に必ず返信します。そこでボトルネックにならないようにすぐに解決する。これはみんなに即レスの大事さを分かってもらうためでもあります。
あとはいつもベストを考えること。昨日のベストはもう今日のベストじゃないかもしれないから。

それからもうひとつ、楽しむ、っていうことは常にやっています。やっぱり楽しまないと意味がない。1日8時間が苦行になったら意味がないでしょ。だから僕自身が常に楽しめる状況を作る。いつもわくわくしたものを作るようにしています。

僕、自分たちが企画した商品で世界中の人を幸せにしたいんです。いろんな国の人がうちの商品を使って「これナイス!」って言ってくれたらめっちゃくちゃうれしくないですか?わくわくします。
海外展開にチャレンジするのもそのためです。

僕も働いているときにそこまで意識していたらよかった。いま思えばそこまで思えていなかったなと思います。

永川社長

それは伝えられていなかった僕が悪いと思います。

では最後に。こんな若者が増えたらいいな、学生のうちにこういうことを考える子が増えたらいいな、というようなことがあったら教えてください。

永川社長

ひとつだけ。やりたいことを見つけてほしい。やりたいことを見つけないことには就職につながらない。
やりたい仕事というよりはやりたいこと。僕自身、なんとなく起業したい、なんとなくメーカー業をやりたいというのがあったんです。紙に書いていたわけでもないし、ほんとに「ただ、なんとなく」ですよ。ミュージシャンは無理、サッカー選手は無理、パチンコ屋の店員はいやだ、とかね。

潜在的にでもいいので、ここはやりたい、やりたくないというリストをたくさん作ってほしいと思います。

すごく難しいですよね、やりたいことを見つけるって。コツなどがあるんでしょうか?

永川社長

それは想像力かな、と思います。
例えば「このスプレーの新しい商品を企画してください」って言われたときに10通り考えらえる人間と1通りしか考えられない人がいる。10通り考えられる人は楽しみを見つける能力がある。問題解決能力、楽しみを見つける能力。仕事は楽しみを自分で見つけていくものなので、それができる人とできない人とで差がつきます。

あとは経験。海外旅行にもたくさん行った方がいい。僕自身も海外に行くと日本でやっているビジネスを客観視できていろんな学びがあります。その中からやりたいこと、やりたくないことが見つかる。さっきの問題解決能力も海外に行くと養えると思います。問題解決能力が高い人はどの会社に行っても仕事ができるんですよね。行動力と似ているところがあります。

なるほど。今日は本当に参考になりました。貴重なお時間、お話をありがとうございました。

永川社長

僕もいいアウトプットができました。ありがとうございました。楽しかったね、森くん。これから頑張ってね!また会いましょう。


永川 政峰社長
社長プロフィール

株式会社GlobalStyleJapan  永川 政峰社長

「自社が企画する商品を通じて、世界中の人の幸せを創造し続ける」をビジョンに2012年GlobalStyleJapanを設立。新感覚のヘアワックスが話題となった『LUFT(ルフト)』シリーズや手汗止めハンドクリームが人気の『TESARAN(テサラン)』シリーズなど、ヘアケア製品やコスメを企画・提供している。

森 風渡さん(大阪経済大学4年)
インタビュアー

森 風渡さん(大阪経済大学4年)

GlobalStyleJapanは森さんがインターンシップで働かせてもらった会社。「お世話になった社長のマインドとマネジメントについて引き出したい!」と自らインタビューを依頼。