インタビュー

INTERVIEW
2019.06.27

自分がこうありたいというのを最も体現できるのが社長業だった

株式会社S-fleage 永井 雄一 社長
自分がこうありたいというのを最も体現できるのが社長業だった

起業のきっかけ

2社を経ての起業

藤木と申します。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
永井社長はもともとサイバーエージェントさんで働かれていたそうですが、起業は学生時代から考えられていたのでしょうか?

永井社長

そうですね。学生時代から起業したいと考えていて、それは働いてからも変わりませんでした。

起業ありきで就職先を選ばれたということですか?

永井社長

起業ありき、というわけじゃないんですが…学生の頃から本を読むのを習慣にしていて、その中で梅田望夫さんの「ウェブ進化論」という本に出会ったんですね。2000年代の始めでまだGoogleが知られてない中、Googleのいる世界とこちら側の世界を対比して書いてあって。あちら側の世界にかなり感銘を受けたし、インターネットの可能性をすごく感じたんです。それでWebの仕事をして新しい産業を作っていきたいという思いが生まれた。それで会社を選びました。

業種で選んだという感じですね。

永井社長

そうですね。その中で1社目に入ったのが株式会社USENです。ヤフーの「GYAO!」ってありますよね、あれはもともとUSENが作ったもの。今では当たり前ですが、当時ブロードバンドによる動画コンテンツの配信で先へ行っていた「GYAO!」に未来を感じてUSENに入ったんです。
でもヤフーに買収されたことでそこにいる意味がなくなってしまった。次の就職先として選んだのがサイバーエージェントでした。

影響の範囲

なるほど、2社を経ての起業。もともと起業を目指されていたとのことですが、どうして「社長業」を選ばれたのか、理由をお伺いしたいです。

永井社長

学生の頃の話に戻りますが、僕も休学して世界各地のNPOで活動をしていたんですね。
僕、昔は「目的を達成できないのは努力不足のせいだ」っていう考え方だったんですが、緒方貞子さんの「難民支援の現場から」っていう本を読んで「それは日本人だから言えるんじゃないかな、もともとのスタートラインがそこに達していない人もいるんじゃないかな」と思った。それでアフリカに行きたいと思って…実際に行きました。

ウガンダでエイズ孤児の支援みたいなことをやったんですが、そのときボランティアの世界を見て感じたのが、現場で支援することも大事だけど影響の範囲っていうものを考えるとそこまで変えられないなと。現場で活動するという変え方よりもっといい変え方があるんじゃないかと思ったわけです。

なるほど。もっと大きな変化を起こせるやり方がある、と。

永井社長

たとえばほかの手段で言えば「政治を変える」というのもありますよね。でも僕は「ビジネスがいちばん変化を起こせる、ビジネスで変えたい」と思った。その中でも自分がこうありたいというのを最も体現できるのが社長業だと思ったので今は経営というところをやっている、というわけです。

会社のトップとして

必要なのは「巻き込み力」

社長ご自身の強みはどんなところですか?

永井社長

人を巻き込む力でしょうか。フォロワーを増やすにはまずビジョン、目線の高さのところと、あとはその目線の高さに対して「この人は本当にやってくれる」という信頼が必要です。そのために小さな結果を積み上げる、行動するということを大事にしています。行動すればやっぱり信頼してもらえるしフォロワーも増えてくる、そうするとできることが大きくなっていく。

なるほど。

永井社長

有言実行。あとはどこを目指していくか。5の目標を立てると5までしかいけないけど、10の目標を立てたら仮に達成しなくても8、9くらいはいける。どれだけ高いところを見据えらえているかを考えるようにしていますね。

ありがとうございます。社長をされていると多くの人に会われると思いますが、人に会うときに気をつけていることはありますか?

永井社長

そうですねぇ、見せ方のところですかね。人ってもちろん本質的なところも見なくちゃいけないんですが、実は結構、感覚的に判断してるって思うんですよ。同じことを言ってもどの人が言うかで感じ方が違う。さっきの巻き込み方のところに繋がってくるんですが、いかに自分の言うことに「ついて行って大丈夫」と思ってもらえるかという信頼感を大事にしていて、そういう意味でいうと身なりとか話し方とか、論理性、約束をちゃんとつなげていくみたいなところは大事にしていますね。

人材を生かす環境づくり

では、トップとして気をつけられていることは何かありますか?

永井社長

いくつかありますが…いちばん大事にしているのが人、人材なので、いかに優秀な人材と一緒に仕事ができるか、ということを大事にしています。具体的にはチャレンジできる環境を作ること。これがないと優秀な人材を得られないと思うので、トップとして目指すべき方向、チャレンジを作って環境を設定してあげる、というのを念頭に置いて仕事をしています。

求めるのもチャレンジ精神旺盛な人ですか?

永井社長

そうですね。受け身でなく自分から「こういうことをやりたい」と言える主体性のある人を採用するようにしています。

主体性のある学生にどういったことにチャレンジさせたいですか?

永井社長

うちの事業は主に2つあって、ひとつは観光客向けに行っている舞妓座敷のイベント。京都の料亭でコース料理を食べながらお座敷体験が楽しめるアクティビティなんですが、これは去年の4月にインターンの子と一緒に設立しました。
もうひとつはSEO事業です。訪日観光客向けのサービスで培ったSEOのナレッジがあって、もともとは自社の集客に使うためのものだったのですが、それがお客様に提供しても問題ないレベルになったのでSEO事業部を立ち上げたんです。これも学生の子と一緒にやっています。
うちでチャレンジしてもらうとしたら現状はこの2つのプロジェクトになります。

インプットとアウトプット

日常生活のインプットは今でも本からですか?

永井社長

そうですね、読書とWebの記事からのインプットもあります、NewsPicksとか。本は乱読ですね。ジャンルも特定せず広くいろんな本や記事を見ています。

その知識のアウトプットの方向っていうのは?

永井社長

ビジネスの場がいちばんだと思っています。記事を書いて発信するというよりはビジネスで出した結果っていうのがアウトプット。課題をクリアできたというのはインプットしたものが出たということなんだと思います。

目指すところ

失敗と課題

では、今振り返ってみて、未然に防げたかもしれないという失敗はありますか?

永井社長

もちろん失敗はありますが、いちばんは前職のときでしょうかね。中途なので結果を求められるわけですが、すぐに結果を出せない現実があって。そのプレッシャーを真面目に感じ過ぎてしまって鬱な時期がありました。でも今になって思うと、もっと受け流すということができてもよかったんじゃないかなと。真面目に受け止めることは大事だけど「できなくても死ぬわけじゃない、いつかはできるんだ」くらいの受け流しができていたらプレッシャーを感じることによるアウトプットの質の低下が防げて、かえっていい結果が出たんじゃないかな、と思うんです。
今もよく「社長って相当なプレッシャーがあるんじゃないですか?」と聞かれますが、「死ぬわけじゃない」って思いながらやっていますね。

確かに。プレッシャーがない方がいい仕事ができますよね。
では最後に、今御社が抱えている課題があれば教えていただけますか?

永井社長

これからやっていきたいという意味でいうと、会社としてやっていきたいのは世界で戦えるサービスです。たとえばFacebookもアマゾンもGoogle検索も海外発、日本発のものってないんですよね。日本は海外に対する影響力がない。今、メルカリがその位置に立てるのかも、というのがありますが、そこを僕も作っていきたい。これは起業するときから念頭に置いています。
今のサービスは世界で戦うための軍資金を得るためのもの。だから次のプロダクトを作りたいけどまだその具体ができていないので、そこが課題かなと思います。

社長の目線の高さと行動力、すごいです。とても勉強になりました。また機会があればぜひお話をお伺いしたいです。今日はどうもありがとうございました。


永井 雄一 社長
社長プロフィール

株式会社S-fleage  永井 雄一 社長

アフリカのNPOで活動した経験から起業を決意。2016年、京都で訪日観光客向けサービスを提供するインバウンド事業で起業。マーケティングの力で京都の魅力を世界へ繋げることを目指している。

インタビュアー
インタビュアー

藤木さん(立命館大学 4年)

就職活動を一時休んで休学。アルバイトや留学をしながら起業を視野に入れて勉強中。