インタビュー

INTERVIEW
2019.07.18

技術は未来をつくる物。何ができるか今はわからないけれど、やり続けないと未来はない。

株式会社エイブリッジ IT事業部 取締役 寺田 徹
技術は未来をつくる物。何ができるか今はわからないけれど、やり続けないと未来はない。

ITはとても興味のある分野なので、今日のインタビュー楽しみにしてきました。 本日は宜しくお願いします。

寺田 取締役

宜しくお願いいたします。
私の自己紹介になりますが、現在エイブリッジではIT事業と農業事業の2つの事業を行っており、私はIT事業の責任者になります。
大城は、2018年に沖縄で入社しその年の10月から大阪に来て、スマートフォンのアプリケーション開発をしています。

事業について

事業の拡大

ありがとうございます。
まず最初にお伺いしたいのですが、エイブリッジさんはいつごろから事業を始められたのですか?

寺田 取締役

7年前、沖縄でIT人材の派遣業として立ち上がりました。
その中で農業関係から、エイブリッジさんは人を集めることが得意だから、農業でも人材のサポートをしてくれませんか?というお話があって、農業事業が始まりました。
農業については、一年の中で繁忙期があります。それが作物の収穫期ですけど、その時期は人手が足りず、困っている農家がたくさんおり、その時期をサポートしています。
そういった人口不足などの社会問題に貢献できるような技術を作り、ITの分野からでもサポートできるように、大阪で新しくIT事業部を立ち上げ、派遣ではなく自社開発の道に進みました。
はじめ大阪オフィスは、私一人でしたが、一緒にやってくれるメンバーが集まり、今は、AIやARなど様々な分野でエンジニアも増えました。
まだIT事業部が立ち上がって2年ですが、お客様からの依頼だけではなく自分達が目指す、IT開発というものを形にしながら、今進めている最中です。

寺田さんはMacintoshの開発にも携わられていたと聞きました。

寺田 取締役

Windowsでの開発もしていましたが、そうですね。私の20歳過ぎぐらいの頃は、COBOLや汎用機やオフコンやと言っていたころなので、VBやCでWindowsでのアプリケーション開発がブームというか流行っていたのですがその当時はMachintoshでアプリケーション開発をしている人は確かに珍しかったですね。Webやインターネットを使ったWeb系の開発の少し前ぐらいの時代ですね。ローカルサーバーでの開発。今は逆にMacBookを使っているエンジニアが増えてますよね。今は、みんなおしゃれで、かっこいいです。

AI開発のきっかけ

事業内容を拝見したところ、AIの開発もされているようですが、AIをやり始めたきっかけは何だったんですか?

寺田 取締役

企業としては、ECサイトがあったり、社内システムが充実してきたり、ペーパーレス化してきたり、既にITに投資をしてきたりで充実はしてきていると思います。
昔は、帳票や伝票など紙でサラリーマンは仕事してきたものがほぼパソコンやスマートフォンに置き換わるようになり、情報もそこから取れるようになったので。
ITに投資する分野が、いわゆるいままでのコンピューターの範囲を変えるか超える分野でしか前に進まなくなってきています。未来の技術ですが、企業もそこに新しいIT投資を始めたり高い関心を持っていると考えています。
簡単に言えば、今までのコンピュータは紙でしていた仕事を、置き換える事は出来たけども、それは、入力や記憶、計算みたいなものであって、その範囲の中に納まっているという事です。システムは、INとMiddleの処理とOUTの考え方が基本ですから。
通信の分野もそうですが、IoTなどといったハード関係も変わり、コンピュータの出来る事や概念も変わるかもしれません。
技術で未来を作るためには今、そういう分野にチャレンジしないといけないので、特にAIの分野は注目しています。カメラやセンサーなども合わせてですが。

AIの開発って、実際どんな感じでやっていくんですか?

寺田 取締役

一般的には、AIは結構アバウトな概念として捉えられている場合もありますが、かんたんに言えば、過去のデータ(教師データ)やアルゴリズムから予測したり、コンピュータ自身が考えたりということだと思うんですね。
ある答えを導き出すためには何個もプログラムを組まないといけない。たとえば、人が「あ」という文字を認識する場合、手書きの「あ」なのか、ゴシック体の「あ」なのか、一部文字が隠れていても「あ」だな、とかその辺って人間だと判断でき、それらをすべて判別できるようなプログラムを作らないといけないです。AIも作り方ですが、地道な作業を繰り返すことになります。
AIと一口に言っても、実は結構色んな要素が絡み合っていて難しく、満足行くまで学習させたり、アルゴリズムをいじったりといった細かなチューニングを重ね、答えに導かせるための試行錯誤を続けるイメージです。
そのプロセスの中では、たとえば統計学の知識が役に立ったり、数学が得意な人がAIをやっていることが多いかなと感じます。物理学とか他の分野の人もAI(の分野)に入ってきているのは、すごくいいことだと思いますね。どちらかというと、AIはプログラミングもそうですが、研究にも近い分野だと思います。試行錯誤があるので。

AI開発に興味がある学生に向けて

AIの開発をしたいと思っている学生に向けて、学生のうちにこれはやっておいた方がいいよっていうことは何かありますか?

寺田 取締役

AIに限らず言語は何でもいいので、何か一つでも自力でプログラムを組む経験をしておいた方が(この分野に)入りやすいと思いますね。
プログラミング作業は、作り上げていく時の高揚感凄いので、テンプレートのコピーとかではなく、自分で考えてクリアした時の充実・やった感というのか、「俺すげえ!」みたいな(笑)。この喜びは、一度味わったらなかなかやめられないですね。
私はそこに時間を割くのが難しくなったのですが、今でもプログラミングの達成感を味わいたい気持ちがあります(笑)。
あと、AIとかARとかってまだまだ新しい分野なので、日本では実績を持っている会社も大手やベンチャーなどまだわずかかもしれませんが、興味があればまず飛び込んでしたらいいと思いますよ。最近では、そういう案件も増えて来たり勉強会も増えてますので、関われるチャンスは多いと思います。

大城さんにもお話を伺ってみたいのですが、(技術的な)バックグラウンドがない中で開発に関わるってどんな感じなのですか?

大城さん

そうですね…自分は専門学校や大学は出ていないですし、いきなりプログラミングをやるって言ってもすぐにできるものではないので、最初はやっぱり苦労しました。
今も苦労していますが(笑)。慣れるまでが長いですね。壁にぶつかって心折れて、また頑張って壁にぶつかって…の繰り返しです。

おそらく、茨の道であることはわかった上で入社されたとは思うのですが、開発をやろうと思ったのは、なんだったのですか?

大城さん

高校の時、商業の情報科に所属し、何かパソコン使ったことがやりたいなと思っていました。なんとなく、ITってカッコいいというイメージがあったんです。 だからITの道に進みましたが、実際には逆で、IT土方とか言われたりするぐらい、超地道なことの積み重ねなんですよね。

楽しいのは楽しいですが、心が折れる時は折れます。その中でも、作ってみて実際その通りに動いたら、「おぉ!」と思ったりすることはあります。

大城さんの将来の夢とかやりたいことってどんな感じですか?

大城さん

これは社長にも伝えているのですが、フリーランスでやれるくらい力をつけることですね。

IoTの領域で熱い分野

話は変わりますが、IoTの領域で、今アツい分野ってどんな分野ですか?

寺田 取締役

IoTとAIを組み合わせた分野ですかね。
たとえば、カメラやセンサーを使って蓄積した情報をAIで分析・解析して今まではできなかったことをするなど。少し前まではパソコンが主流の開発分野でしたが、それがだんだんとスマホが主流になり、今はスマホのアプリなどは大体作り終えた感じになってきているので、次の波としては、モノの時代、つまりIoTの時代ではないかなと思います。
日本はモノづくり、製造メーカーが多いので、製品にカメラやセンサーが付いてきて、それを使って次何を開発できるか?というフェーズに入っているかと思いますね。
あとは、最近ペイシステムって流行ってるじゃないですか。それが今後はカメラ、センサーだけでペイできるシステムを模索していたり。
そもそも、パソコンの前は紙で仕事していたわけですよね。それがパソコンになって、スマホになっていったわけですが、まだまだ仕事のやり方ってアナログなところが残っていると思っています。そのアナログなところをARでペーパーレスにしたり、仕事の仕方をもう一つ発展させたいということも考えています。

IT分野の今後について

感じる事

寺田さんが実際にこの分野で事業をする中で、今どんなことを感じてますか?

寺田 取締役

そうですね…こんなことを言うとネガティブに受け取られてしまうかもしれませんが、IT技術については、結局のところ、「人」がいちばん大事だと感じます。
能力のある人とどう仕事するか?や能力のある人をどう育てるか?など、人との関係がITには一番大切ですね。
あとは、私の肌感覚ではありますが、今のIT会社って、新しいことへのリスクを積極的にとって、自分たちで何か作ろうとしているところが意外と少ないなという印象です。自社開発する会社が減ってきているように思います。関西は特に少ない気がしています。関西で何かやる、ということは今後意識していきたいなと思ってます。

ITが変える社会

寺田さんから見て、ITがさらに発展していくことで、将来的にどういう社会になると思いますか?私たちの暮らしがどう変わっていくか、もしイメージがあれば教えてください。

寺田 取締役

大分壮大な質問ですね(笑)。私なんかが偉そうに語るものでもないとは思いますが、(ITのおかげで社会は)良くなっていくと思いますよ。
社会って、色んな新しいものが乱立してきて淘汰されては消えていく、っていうのを繰り返しているじゃないですか。その中で、(世界は)もっとシンプルになっていくイメージを持っています。
今でも巨大なグローバル企業が国よりも力を持っているところがあると思うのですが、今社会で起こっている問題を解決して、よりよい世界に変えていけるのはITだと思っています。

そのITの中で何をやれるかですが、たとえばスマホであれば個人(消費者)やコミュニティにおける変化を起こしたけれど、IoTやAIは、”社会を変える”っていう趣が強まってくるんじゃないかと感じています。
スマホの登場によって私たちの身の回りの生活がガラッと変わったように、いつかは何かが抜本的に変わるかもしれない。そんな風に、技術って未来をつくる物だと思っています。何ができるか今はわからないけれど、やり続けないと未来はないと、それが自然な流れだと思いますね。

ITには世界を変えられる可能性が秘められていて、どんな結果に結びつくかは分からなくても、信じてやり続けることが大事、ということですね。

寺田 取締役

だから、我々人間にしかできないことをいかに突き詰められるかですよね。
何か物を作ることへの丁寧さでいうと、AIももちろんできますけど、やっぱり人間の方がすごいと思います。
私は以前、印刷関係の会社に務めていた時期がありました。紙での表現は、丁寧で美しい日本語フォントや体裁(レイアウト)があります。そのアウトプットの表現を、どうパソコンでできるか、紙の美しさとパソコンでの効率さを融合しようといつも考えていました。
つまり、どこまでこだわりを持って丁寧にアウトプットできるか、作れるかっていうことだと思います。そのこだわりを持っている人は、これからも(人間として)活きると思いますね。

あと、ITって、こだわりを突き詰めたら”クリエイト”の世界になります。世の中に作品を残したいと思うプログラマーやエンジニアは多く、何のためにやっているかっていう部分では、美術にもなるし、音楽にもなるし、その発想までいけたらもう芸術の域というか、世に残したい作品になりますね。

エイブリッジについて

今後の事業展開やビジョン

エイブリッジさんの今後の事業展開やビジョンについて教えてください。

寺田 取締役

IT事業に関して言うと、製造メーカー、医療、バイオ、金融などの分野に力を入れています。
いろいろな企業様と協力し、製品の商品力とITのサービス力をかけ合わせて、日本から新しいものを発信していきたいですね。

それを実現していく中での課題はありますか?

寺田 取締役

今の課題は、人の採用ですかね。今は即戦力重視ということで中途採用を行っているのですが、思い入れを強く持って取り組んでくれる人っていうと、新卒で一から入って長く一緒に頑張ってくれる人の方がいいのかなと思ったりしています。
特に最近は、学生といっても社会人顔負けの知識やスキルを持っている方もいますし、クリエイターの世界でも、たとえば漫画とか、クオリティの高いものを作っている方もいますよね。そういう意味で、即戦力に近い方も昔より増えていると思うので、そういう方を採用していきたいなと思ってます。

社員の働き方

エイブリッジの社員さんの働き方ってどんな感じなんですか

寺田 取締役

これはちょっと珍しいかもしれないんですけど、場所によって勤務時間を変えているんですよ。東京と大阪は9時30分〜18時30分で、沖縄は派遣が多いので9時〜18時、ミャンマーのオフショア開発の日本スタッフは、ミャンマーの時差に合わせて10時30分〜19時30分とか、結構自由にやっていますね。
あと、うちはやっぱりベンチャーなので、出社して時間内で働いて終わり、っていう考えの人は少ないです。自分のやりたいことを実現するためにやっている人が多いので、仕事が好きな人が多いですね。自分で決めて自主的に早く来てやっている人もいます。もちろん最低限のルールはありますが、そこにあまり縛りは掛けていないですね。

会社の強み

ベンチャーならではの強みってどういったところにあると思いますか?

寺田 取締役

それはやっぱり、チャレンジできるところでしょうね。
たとえば自分たちで何か新しい儲け方をつくろうとしたときに、ベンチャーで働いている人には(それができる人が)多くいます。発想が自由なので

ベンチャーで働く場合、新卒で入った方がいいのか、何年か大企業で仕事をしてからベンチャーに移った方がいいのか、その辺り寺田さんはどう思われますか?

寺田 取締役

王道は一度行っておいた方がいいと思いますよ。人に揉まれるので。
組織の中で育つというのはすごくいいことだと思います。


IT事業部 取締役 寺田 徹
社長プロフィール

株式会社エイブリッジ  IT事業部 取締役 寺田 徹

ゴウダさん(京都大学工学部 物理工学専攻 4年生)
インタビュアー

ゴウダさん(京都大学工学部 物理工学専攻 4年生)